松 本 の 肥 育

fattening

「いい環境が、いい牛を育てる」

牛はとても繊細な生き物です。
松本畜産では毎日まじめに牛と向き合い一頭一頭を丁寧に観察する事で、牛の個性を見極め理解し、じっくり手間ひまをかけ生後43〜44ヶ月間(おおよそ3年間)育てます。

育つ環境は肉質に非常に影響するため、牛に少しでもストレスをかけないよう心がけて、常に牛床を清潔に保ち十分な牛房の広さを確保し、牛がストレスフリーでのんびりできる環境作りを目指しています。

臆病な性格の牛へ急に手を出し驚かすことなく、ゆっくりと体に触れながら話しかけ人間に慣れるようにしていきます。
1日2回の餌を食べる以外の時間は、ゆったりと寝て過ごしてもらいマッサージなども行ないながら牛の心身に負担をかけないよう心がけて、古くから伝わる肥育方法で質が高い「本物」の特産松阪牛へと育てあげています。

「いい餌が、いいお肉を育てる」

地元の稲作農家さんと連携して、主にコシヒカリの稲わらを主食としています。
独自の自家配合(ムギ・大豆カス・トウモロコシ・フスマ)などを中心に与え、また月齢に合わせてエゴマやそばかす等も取り入れながら餌を与えることにより、松本畜産独特の牛肉の旨味を引き出しています。

特 産 松 阪 牛 の 特 徴

matsusaka beef

古くは、但馬地方生まれで紀州育ちの若い雌牛を役牛として導入し、明治以降では役牛の長期肥育をすることにより、肉質の優れた松阪牛として生産してきました。

松阪牛には「特産松阪牛(とくさんまつさかうし)」と「松阪牛」の区別があり、「黒毛和種の未出産の雌で最長で最終の肥育地が松阪市周辺の旧22市町村」と定められた「松阪牛」と、肥育技術を継承し、より一層の技術向上を図るため、但馬地方をはじめとした兵庫県より生後約8ヶ月の選び抜いた仔牛を導入し、900日以上の長期に渡った肥育をされたものを「特産松阪牛」と呼んでいます。

~仔牛について~

兵庫県但馬家畜市場の仔牛市場で購入し血統ばかりに頼らず直接目利きすることで伸びしろのある月齢に合わせた発育状態良い仔牛を見極めて仕入れます。

松本畜産では、導入1年で4頭ずつにグループ分けし肥育します。牛の性質として、グループの中で仔牛自身が優劣をつけ順位をつくる習性があり、仔牛たちがきちんと餌を食べられるように常に気を配っています。

また、気候の変化にも左右されやすいので、いち早く体調の変化に気付けるように常に仔牛たちに気をかけ手をかけしています。

~GIと個体識別管理システム~

特産松阪牛は、GI(地理的表示保護制度)に登録されています。

地域には長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質と評価を獲得するに至った産品が多く存在しています。これら産品の名称(地理的表示)を知的財産として保護する制度が「地理的表示保護制度」です。

個体識別管理システムとは、平成13年、国内ではじめてBSE(牛海綿状脳症)感染牛が見つかり、以降他産地の牛に比べて信頼の厚い松阪牛の需要が増加し、松阪牛の偽装事件が続発しました。そこで三重県松阪食肉公社にて、松阪牛の生産地域を明確にした上で、消費者が店頭で買う精肉パックからその牛の生産履歴がわかる個体識別管理システムを平成14年8月19日に導入しました。
このシステムは、家畜個体識別システムにより装着された重複することのない"生涯唯一"の10桁の耳標番号を活用して、松阪牛を識別・管理する一連の仕組みで、これにより生産農家から消費者の手に届くまで一元化で管理し、三重県松阪食肉公社が発行する松阪牛シール・証明書により、消費者へ松阪牛(肉)の生産情報を開示することを目的としています。
安心安全の世界ブランド松阪牛の信頼を裏付けるシステムです。